コラム

固定電話をスマホで受ける方法|転送電話サービス・IP電話・PBX

事務所やお店の固定電話への着信をスマホや携帯電話へ転送したり、スマホで受けたりしたいと考えている人は多いのではないでしょうか。事務所やお店以外の場所にいることが多い人や、テレワークが急速に進むなか、電話対応をスムーズに行う方法を模索する人は増えています。

本稿では、固定電話への着信をスマホや携帯電話に転送する複数の方法についてご紹介します。また、スマホで受信するだけでなく発信することもできる、スマホで固定電話番号を受発信する方法についても紹介しますので、そうした方法を使って利便性アップとコストダウンを実現してください。

固定電話をスマホ・携帯電話に転送する方法

それでは早速、具体的な電話の転送方法についてご紹介します。

転送電話サービス

電話を転送する機能を有したサービスには、NTTが展開している「ボイスワープ」が有名です。事務所利用の場合だと、月額使用料が880円かかります。

他にも、KDDI(光ファイバー auひかり)が展開している「着信転送サービス」(月額550円)、ソフトバンクが展開している「多機能転送サービス」(月額880円)など、通信キャリアごとに転送電話サービスがあります。

企業によって名称に違いはありますが、相手からこちらへとかかってきた電話をスマホなどの別の電話へと転送するサービスであることに違いはありません。各通信キャリアによって展開されている転送電話サービスを利用することによって、会社に設置している固定電話から、外出先やテレワーク先のスマホなどの別電話へと転送することが可能です。

転送の手法としては大別して「自動転送」と「応答後転送」に分類することができます。

「自動転送」は、無条件転送および無応答時転送に分類することができます。各項目の特徴は次のとおりです。

  • 無条件転送: 会社に設置している固定電話にかかってきた電話全てに対して、固定電話を呼び出すことなく登録してあるスマホなどの別電話に転送します。
  • 無応答時転送: いったん固定電話のベルを鳴らし、固定電話の応答がない場合に、登録してあるスマホなどの別電話に転送します。

「応答後転送」は、会社等に設置している固定電話で受電したあとに手動でスマホなどの別電話に転送する手法です。

このように、現在使用している通信キャリアの転送電話サービスを利用することで、事務所やお店の固定電話への着信をスマホや携帯電話へ転送することができます。また、外出先からでもリモートコントロールで転送の開始や停止、転送先の変更ができたりと便利です。

しかし、月額使用料が発生してしまうほか、固定電話にかかってきた電話の通話料金の他に、固定電話から転送先のスマホや携帯電話までの通話料金もかかってしまうため、コスト増になってしまいます。

電話転送については、「転送電話とは?転送電話のデメリットを回避してメリットだけを享受する方法」に詳しい情報が掲載されていますので参考にしてください。

IP電話アプリを利用する

IP電話はこれまでのアナログ電話のような電話専用の通信方法を使用した電話ではなく、IP(Internet Protocol・インターネットプロトコル)というインターネットにも使われている通信方法を使った通話方法です。

このIP電話をスマホで実現できるのが「IP電話アプリ」です。

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PBXとは?

テレワークが増えている中、主流となりつつあるのが「IP電話アプリ」と「PBX」の組み合わせです。オフィスの代表電話にかかってきた着信をリモートワーク中である社員のスマホに転送することはもちろん、さまざまな柔軟な使い方が可能になります。

家庭の電話機とは異なるオフィスの電話機である「ビジネスホン」は複数の外線と内線を共有できる電話機です。内線電話や保留転送など、オフィスで電話を利用する際に起こるあらゆる状況を想定して、多くの便利な機能を備えています。

ビジネスホンは主装置といわれる交換機とつながった電話機のことを指します。この主装置の内部には、様々な機能を実現するために、CPUや様々なユニットが収容されています。この主装置のことを「PBX」(Private Branch eXchangeの略称)と呼びます。

これまでは、PBXといえば国内大手メーカー製の主装置をオフィスに設置する「アプライアンス型」と呼ばれるタイプが中心となってきましたが、近年はクラウド上でPBXの機能を実現した「クラウド型」のタイプなども登場してきています。

「アプライアンス型」の場合でも、従来のアナログ電話の技術を使った一般的な「PBX」と、主装置と電話機の間にIPの技術を使用した「IP-PBX」にわかれます。一方、「クラウド型」の場合も、PBX本体と電話機の通信は、そもそもIPの技術を使用しますので、こちらも「IP-PBX」となります。

PBXについてもっと詳しく知りたい人は、「PBXとは何か?基本的な機能を分かりやすく紹介」をご覧ください。

アプライアンス型IP-PBX導入のメリット

IP-PBXは主装置から電話機までの通信をインターネットで汎用的になったIP技術を使い構成します。IP技術は通信手段としては既に汎用的になっていることもあり、様々なメリットがあります。

ここでは、アプライアンス型IP-PBXの導入メリットをいくつか紹介します。

スマホを内線化できる

テレワーク中でも社員同士が電話でコミュニケーションをとることは多いかと思います。この場合でも、IP電話アプリに対応しているIP-PBXを導入すれば、テレワーク中の社員のスマホを内線化できます。

その理由は、会社に設置したIP-PBXを介して、社員のIP電話アプリがつながっているからです。また、この時に通話コストもインターネットを利用しているので、低くおさえられます。

お客さまからの電話を他の人に転送できる

お客さまから代表電話に電話がかかり、担当者に電話を取り次ぐことはよくあります。しかし、テレワークでは電話の取り次ぎ業務が難しくなりました。IP電話アプリに対応したIP-PBXであれば、この問題が解決できます。

あたかも内線のようにテレワーク中の社員のスマホに電話を転送できるからです。お客さまサービスの視点からも、優れている機能です。

テレワークでも会社の電話番号で発着信できる

現在もテレワークを継続している企業も多いのではないでしょうか。IP-PBXの中にはIP電話アプリと組み合わせることで、会社の固定電話の着信をスマホで受けることができるものもあります。

また、テレワーク中の社員がお客さまに個人のスマホで電話することに抵抗がある方もいるでしょう。IP電話アプリから発信すれば、会社のIP-PBXを介して会社の電話番号で発信できます。

お客さまへの着信番号表示も「03-xxxx-xxxx」と会社の固定電話番号です。お客さまの信頼感も違ってくるでしょう。さらに社員に電話料金を負担させることがないのもポイントです。

しかし、ビジネスフォンの導入には多額の投資が必要となるため、個人事業主や、従業員が数名規模だと現実的ではありません。そこで、最近ではPBXの設置が不要な「クラウドPBX」を利用する会社が増えています。

クラウドPBX導入のメリット

クラウドPBXは、IP-PBXが実現している内線・外線間接続・交換機能などを、クラウド上に置かれたIP-PBXを利用することで利用できるようにしているサービスです。

クラウドPBXを導入することで、さまざまなメリットがあります。ここからは具体的なメリットについてご説明します。

設置スペースが不要

サーバーおよびソフトウェアといった情報システムを企業が管理してオフィス内などにビジネスフォンを設置していたPBXでは、実際にPBXを設置するためのスペースを確保しなければなりませんでした。

しかし、クラウドPBXにおいてはインターネットに接続されていれば、クラウドを利用してPBX機能を活用することができます。そのため、会社内にPBXを設置する必要はありませんし、PBXのサービスを構築するための工事なども必要ありません。

イニシャルコストの抑制

従来のPBXでは、会社内でシステムを構築するためには主装置の購入・設置などのイニシャルコストが必要でした。

しかし、クラウドPBXでは主装置を購入する必要がありません。電話機は必要ですが、スマホを利用して電話機を減らすことでコストを抑制することは可能です。

導入に要する期間の短縮

従来のPBXでは、PBXの設置やそれらに伴う工事なども必要であったことから会社内でシステムを構築するための準備期間を設けなければなりませんでした。

しかし、クラウドPBXではIP電話を設置するだけでシステムを構築することができますのでPBXを導入するまでの期間は限りなく短くすることが可能です。

状態の最適化

クラウドPBXは、言葉のとおりインターネット回線を利用したクラウドで構築されています。

そのため、PBXのシステムを構築しているソフトウェアなどはインターネットを介して常に最新版へとアップデートされていますので、機能面などにおいて従来のPBXと比較すると優れていると言えます。

限定解除

クラウドPBXでは、制限を受けることなく拠点共用が可能です。具体的な事例を挙げると、遠く離れた本店と支店間を統合的に管理することが可能ということです。

昨今では、テレワークが普及していることもありそういった働き方で仕事をしている人達をクラウドPBXを利用して接続することによってPBXの恩恵を受けることができます。

災害対策

昨今、クラウドPBXは急激な普及を見せていて、大手企業や公的機関でも多く活用されています。この背景に「クラウドPBXは災害に強い」という理由があることをご存知でしょうか?

クラウドPBXは、名の通りクラウド上にPBXを設置しています。このクラウドの実際の設置場所は、堅牢なデータセンターなどで、原則的に、地震や水害にも強い堅牢な建物に設置され、電源的にも商用電源が二重化されていたり、発電設備を備えていたりする場所になっています。

このため、災害などが発生した際にも、インターネットにさえ接続できればスマートフォンなどからPBXに接続できるため、災害に強い電話システムを構成できるのです。

ただし、なんでもかんでもクラウド化が良いという訳ではありませんので導入には注意が必要です。

▶︎クラウドPBXの導入失敗にありがちなポイント

おわりに|固定電話をスマホで受ける方法

事務所やお店の固定電話への着信をスマホや携帯電話に転送する方法についてご紹介しました。

通信キャリアが提供している「転送電話サービス」を利用するという方法もありますが、今回紹介したクラウドPBXサービスを利用することで、会社の固定電話にかかってきた電話をスマホや携帯電話に転送することができ、かつ通話料金がかからないようにすることもできます。

03電話などの市外局番がスマホで使えるIP電話サービス「じむでん®」

▼運営サイト: じむでん

当社が提供している、「じむでん」というIP電話サービスでは、スマホにIP電話アプリを入れて、簡単な設定を行うことで「03などの固定電話番号」を利用することができます。

会社の代表電話番号への着信を、外出先やテレワーク先にいながら自分のスマホで着信できるだけでなく、代表電話番号で発信することもできます。

また、このサービスでは、一つの電話番号を合計3台で使用することができます。固定電話への着信をスマホへ転送する必要もないので、小規模事業者であればこちらのサービスで十分ニーズを満たせるでしょう。東京03、大阪06、京都075、横浜045、広島082の市外局番のエリアが対象。対象のエリアに拠点がある方はぜひご検討ください。

Netdevancer cloud▼ MAHO-PBX NetDevancer Cloud

それ以上の規模になってくると、機能性の高い「MAHO-NetDevancer Cloud」があります。

電話システムは、一度導入すると長期に渡って使用する場合の方がほとんどなので、目先のことだけでなく、先々まで見据えて決めることをお勧めします。

中小企業やスタートアップで電話システムの専門家が社内にいるというケースは稀なので、クラウド型とアプライアンス型の長所と短所などを納得した上で導入するためにも、ぜひ話だけでも聞いてみるのは如何でしょうか?

ご相談だけでも結構ですので、お気軽にご相談ください。